PEOPLE WHO WEAR A LAB COAT 白衣を着る人
クラシコのビジョンは、白衣を着る人々に愛されるブランドになるということ。そんな白衣を身に纏った人たちが立ち向かっている仕事、考えていること、過ごしている場所、ライフスタイル、そしてその人たちにとっての白衣とは?をご紹介します。Vol.05:吉野 真未(神田須田町アイクリニック 院長 )
PROFILE
神田須田町アイクリニック 院長平成6年東海大学医学部卒業後、慶應義塾大学医学部眼科学教室に入局。その後、国立霞ヶ浦病 院、佐野厚生総合病院、大和市立病院、新葛飾病院、東京歯科大学水道橋病院などを経て、平成27年医療社団法人 慶翔会 両国眼科クリニックに勤務。平成28年3月、同法人 神田須田町アイ クリニックを開院し、現在に至る。
撮影時着用白衣:ジャージーコート、ライトフレアコート
-なぜ医師になろうと思ったのですか?
小学校からカトリック系の学校に通っていたのもあり、人のために施す仕事がしたいと思っていました。病院は辛くなった人たちをスッキリと治す場所。医師の仕事は究極の施す仕事だと感じ、医師を目指しました。-眼科の専門医として歩もうと思ったキッカケは?
医学部に入る時は、まだ眼科と考えていなかったのですが、外科系に進みたかったので、手術ができること、また長く仕事ができることなどから眼科を選びました。女性の先輩が多かったことも大きいですね。-日々の診療において大事にしていることを教えてください。
最近は、ネットや雑誌などで医療についての情報が氾濫しています。患者さんが医療に対する基礎がないまま、様々な情報を取得してしまい、病気に対して正しい理解をされてないことが増えてきました。 これは結果的に、医師の診療や手術に納得されないなど、患者さん自身が前向きにならないことに繋がっています。例え手術が無事に終わっていても不満を持っていることも多いようです。そのため、医療を上手くいかすために、治療だけでなく、患者さんが医師を信頼し、納得して治療に臨めるように情報を整理することや、コミュニケーションを診療において大事にしています。-医師をしていて良かったと感じる時は?
医師になりたての頃、90歳以上の高齢の患者の白内障手術をしました。大変元気に通院されており、術後経過も良好で見えるようになったのですが、残念ながら1週間後には亡くなられました。私は手術をしたことでご負担をおかけしたと思って反省していました。そんなときにご家族から、「先生ありがとうございました。大好きなお相撲がよく見えるようになったと喜んでいました。天国でもよく見えて幸せだと思います。」といった言葉をいただきました。高齢者の場合、手術をすること自体が大きなストレスになるので、眼科だけの問題ではないこともあります。この症例の患者さんとご家族にとって、手術で満足できたと実感していただけたことは、医療としては良い結果だったのではないかと感じています。 また、先天白内障で、長期間診ている子供の患者さんが成長していく中で、どんな時も一生懸 命取り組んでいる姿を見ると自分自身が励まされますね。医師をやっていた良かったと思う瞬間です。-3月に開院され、これからどのようなクリニックにしたいと考えてますか?
患者さんが病院に来る時は、少なからず心を塞いでいます。医療は魔法ではありませんので、 すぐに何もかも解決できるわけではありません。だからこそ、治療に前向きになれるような雰囲気作りをクリニックでは大切にしたい。気軽に訪れて、来れば心が元気になるクリニックにしていくことを目指しています。 また将来的には、高齢者に向けて往診なども考えています。患者本人だけでなく、ご家族も安心できるような医療を提供していきたいですね。-仕事の息抜きはどうされてますか?
日頃から体を動かすようにしていますね。大学病院ほど朝が早くないので、出勤前にジムに 通っています。また、フラワーアレンジメントができるのでクリニック内のお花も自分でやっ ているんですよ。-吉野さんにとって白衣とは?
白衣を着ると仕事のスイッチが入りますね。家族が病院に来た時、「おうちと違ってしっかりした顔しているね。」と言われます。自分自身を高められるし、患者さんとの円滑なコミュニケーションのためでもある。白衣にはそういう力があると思います。取材協力 神田須田町アイクリニック: http://kanda-eye. com/index.html