Classico BLOG

classico×imabariファブリックストーリー







クラシコでは、白衣やスクラブに使用する
素材・生地を独自開発しています。
病院洗濯という、衣服にとって
非常にハードな使用環境をクリアしながら、
ファッション性・着心地・機能性を同時に成立させるには、
オリジナルの生地が欠かせません。
デザイナーの「着る人を心地よく、見栄えよくし、
どんな時も快適に過ごしてもらいたい」という
フィロソフィーが隠された、Fabric Story。





素材開発


医療現場で使用される白衣などのユニフォームは、耐久性や機能性などへの配慮から、ポリエステルの高混率が多くなる傾向にあります。その一方、独特の柔らかい肌触りを持つ綿100%の白衣やスクラブを求める声も多くありました。クラシコでは元々綿100%の白衣も作っており、お客様にも喜ばれていました。そこでもう一度、綿100%で天然繊維ならではの心地よさにスポットを当てたいと考えたことから、この素材開発が始まりました。今治を選んだのは、「綿の肌触りの心地よさ=タオル」のイメージから。長時間の勤務や、夜勤で仮眠する時にも、肌触りがよく心地よく過ごせるものを作りたいという意図がありました。




渡辺パイル織物とのコラボレーション


今回の素材開発に当たり、一緒に素材を作ってもらうコラボレーション先となったのが渡辺パイル織物さん。「織りやすいタオルではなく、使って気持ちの良いタオルを」を掲げ、昭和38年に創業された職人気質な織物メーカー。愛媛県今治市に本社を構え、タオルに限らずアパレルブランドとのコラボレーションも多く手がけています。病院洗濯できる綿100%生地という難しい開発に、物作りへのこだわりと熱意を持って私たちと挑んでくれました。手がけた商品のことを楽しそうに語る社長の渡邊利雄さんとの出会いが、この物語を前に進めました。







開発ストーリー


病院洗濯をクリアする綿100%生地を目標に始まったこの開発は、渡辺パイル織物さんとの出会いから約2年、本格的な開発スタートから量産化まで約1年半の年月を費やしています。ただの綿100%なら半年ほどで仕上がりますが、「天然繊維らしい柔らかい肌触り」にこだわった結果、長い時間がかかりました。
もっとも苦労したのは、洗濯した際に起こる生地の縮みを防ぎながら、柔らかい肌触りを保つこと。経糸と緯糸のバランスを細かく変えたサンプル試験を繰り返しました。ただ、試験の数値が思うように改善されず、暗礁に乗り上げそうになった時期もあります。





解決のカギは、時間をかけて探った経糸と緯糸の最適なバランスです。それに加えて、洗濯後に想定される縦の縮みを初めから入れてしまうサンフォライズ加工という防縮加工を2回施すことによって、理想の生地がついに完成。
綿100%白衣から始まり様々な素材を扱ってきたクラシコがもつノウハウと、渡辺パイル織物さんの根気強い情熱が、試験合格(生地の完成)へ導きました。

デザイナーの大豆生田は、完成した時の事を振り返って「テスト機関から送られてきた合格数値をパソコンの画面で見たときは、噛みしめるような喜びが湧き上がってきた」と語っています。大豆生田が合格数値を渡邊さんへ電話で伝えると、喜びの声と「量産化しても安定した数値が出せるよう、もっと改善します」という控えめな言葉が返ってきたそうです。





経糸と緯糸のバランス以外にも、様々な要素が上質な生地を支えています。
原綿にはカリフォルニアの中心部、ベイカーズフィールド地方の「ヨセミテアベニュー」という上質な綿を採用。コーマ、コンパクト、ガス焼き、シルケットの4つの工程で丁寧に処理し、毛羽立ちが少ない高品質なコーマ糸に仕上げています。その糸を経糸が2本有るパイル織機で織り、ボリューム感(膨らみ)がある生地に。組織点が少なく柔らかさがあり、吸水、速乾性に優れています。
それから、蒼社川の水も欠かせません。今治を流れる蒼社川は日本三大軟水の一つとされ、不純物が少ないのが特徴です。この軟水が糸に柔らかさを与えてくれます。







ひたむきに素材と向き合い、完成した「classico × imabariシリーズ 」。
長い時間をかけて、肌触りと機能性が高い次元で融合した贅沢な素材は、身をゆだねたくなる別格の心地よさです。